「カーフ」という革をご存知でしょうか。
かんたんに説明すると、カーフとは子牛の革のことを言います。
実はカーフにはいくつかの種類があり、それぞれ「輝き」「滑らかさ」が異なります。
本記事では、カーフの種類と各々の特性をご紹介します。
カーフとは、「生後6ヶ月以内」の仔牛レザーを言います。
カーフは牛革(カウレザー)の一種です。牛革は、牛さんの年齢によって次のように分類されます。
※ 本サイトでは、レザーを提供してくれる動物たちに敬意を表し、「さん付け」しています。

- 生後~6ヶ月:カーフレザー
- 6ヶ月~2年:キップレザー
- 2年~:カウレザー、ステアハイド等
牛革は、牛さんの年齢によって大きく3種類に分けられます。
若いほど市場の流通量が減りますので、カーフは希少価値が高く、最高級の牛革になります。
生後6ヶ月~2年の牛革を「キップレザー」と言いますが、キップレザーも含めて「カーフレザー」として紹介しているメーカーもあります。厳密には通常のカーフレザーとは異なるため、革財布を購入する際は注意しましょう。
カーフの特徴
カーフには、次のような特性・特徴があります。
- 革のキメが細かい
- キズが少ない
ヒトに例えると分かりやすいですが、赤ちゃんの肌は大人の肌よりもキメが細かく、キズやシミ等もありませんよね。
牛革もこれと同様で、カーフはキメが細かくキズも少ないのが特長です。

上記の画像は、カーフレザーのアップ写真です。
非常にキメ細やかであり、ヒビ割れ等がなく非常にキレイですね。
このキメ細やかさが、多くの革愛好家から愛される理由の1つです。
カーフにも種類がある
生後~6ヶ月までの牛革をカーフと言いますが、その中でもいくつか種類があります。
代表的なカーフの種類は、次のとおりです。
- 一般的なカーフ
- ベビーカーフ
- ボックスカーフ
- アニリンカーフ
ベビーカーフ
生後~6ヶ月の仔牛レザーをカーフと言いますが、中でも生後~3ヶ月の仔牛レザーを「ベビーカーフ」と言います。
一般的なカーフに比べて流通量が半数程度になるため、カーフの中でも最高級のカーフであると言われています。

上記の画像は、ベビーカーフの皮革写真です。
カーフの良さは「キメ細やかさ」「柔らかさ」ですが、この点が更に強調され、思わず触りたくなるのがベビーカーフの特徴です。
ボックスカーフ
カーフには、キメ細かく柔らかい という特徴があります。
しかしその反面「キズが付きやすい」というデメリットもあります。
このデメリットを解消するために開発されたのが、「ボックスカーフ」です。
クロームで加工をすることによって、キズの付きにくい頑丈なコーティングが実現されるため、手入れをせずにカーフを楽しむことができます。
上記の画像は、ボックスカーフの財布写真です。
やや厚めの加工がなされることで 「硬さ」が顔を出すため、この点は好みが分かれるところでしょう。
手入れをせずにガシガシ使いたい人にオススメです。
メモ
なお、「ボックスカーフ」は元々 Carl Freudenberg社(カール・フロイデンベルグ社)の開発したレザーであり、その商品名(固有名詞)が一般に浸透し、ボックスカーフと呼ばれるようになりました。
アニリンカーフ
「アニリン」とは、水性染料でレザーに色づけすることを言います。(「染料仕上げ」とも言います。)
仕上げ方法は2種類ある
- 顔料仕上げ
- アニリン仕上げ
「顔料仕上げ」が革を厚くコーティングするのに対し、「アニリン仕上げ」は革を薄くコーティングします。
アニリンカーフは、カーフ本来の「キメ細やかさ」「柔らかさ」を失うことなく表現できるため、カーフの良さを最大限に生かした皮革と言えるでしょう。
上記の画像は、アニリンカーフのコインケース写真です。
見た目にも「柔らかさ」が良くわかりますね。
ヒトに例えるならば、厚化粧する必要のない「素肌美人」と表現できるでしょう。